ドライヤーで髪をケアする方法| プロが教えるドライヤーテクニック

髪の速乾テクニックがお分かりいただけたところで、次はドライヤーの熱を利用して髪を ケアしてしまう裏技をお話ししていきましょう。

実は、髪の「通常の温度」と「ヤケドする温度」の間には、ヘアケアポイントとなる温度 が存在しています。 具体的にお話しすると、あなたの髪は気温とほぼ同じ温度を保っています。 気温が20度だとすると、髪も同じくらいの20度となっているため通常はキューティク ルが閉じた状態になっていますが、この温度がアップして30~60度になると少しずつ キューティクルが開き始めます。 この温度でキューティクルの隙間が広くなると、髪は「ダメージを受けやすい状態」にな りますが、同時にこれは「トリートメントやヘアエッセンスが浸透しやすい状態」でもあ

るのです。 つまり、髪の毛は30~60度になると、ケアにとって最適の温度になる訳です。 そのため、ヤケドの一歩手前の30~60度になるまで髪を温め、キューティクルを開い てあげれば、トリートメントやヘアエッセンスが入り込みやすくなります。 そして髪の温度が冷えてくると、キューティクルが閉じてフタとなり、栄養が内部にしっ かり閉じ込められます。 ところが、これが70度を超える温度になると、話は違ってきます。 おさらいになりますが、髪は70度を超えると“突然変異”を起こし、一瞬にして固まっ てしまいます。

温度が上がるにつれてゆっくり開いていったキューティクルが、70度になった途端、開 いたまま固くなって閉じなくなってしまうのです。 この温度になって一度固まってしまった髪は、よほどのケアをしない限り元には戻りませ んし、キューティクルが開いたままでダメージを受けやすい状態になってしまいます。 そのため、髪をケアするテクニックにドライヤーの熱を利用する時も髪が健康な方で70 度、すでにクセやダメージをお持ちの方で60度を超えないよう、注意してくださいね。

ドライヤーの熱を利用したヘアケアテクニックは他にもあります。 シャンプーした後にトリートメントを髪全体にまんべんなく広げたら、そのままヘアタオ ルをつけてください。 そして、タオル全体に直接、ドライヤーを1分ほど当てる。 タオルを使うというのは先ほどの速乾のテクニックと同じ方法ですが、タオルはトリート メントを浸透しやすくさせることにも使えるのです。

この方法が効果的なのは、元々トリートメントが髪に浸透するのに、「水分」が邪魔になっ ているからです。 実は、トリートメントは水が嫌いな性質を持っているので、髪に水分があるとなかなか芯 まで浸透できません。 この熱を活用したトリートメント術なら、ヘアタオルが髪についている水と浴室の蒸気を 吸い取ってくれるのでトリートメントの浸透力がアップします。 さらに、タオルの上からドライヤーの熱を与えることで髪表面の水がより少なくなって浸 サラサラ ケアに最適 ヤケド 70 度以上 30 度~60 度 30 度以下

透力が格段にアップするのです。 ちなみにドライヤーは浴室で使用すると感電する危険性がとっても高いので、浴室内でド ライヤーは絶対に使わないようにしてくださいね。

さあ、これであなたはドライヤーを使ったトリートメントテクニックまでもマスターして しまいました。 正しいドライヤー術を身につければ、あなたの髪は驚くほど美しく輝くようになります。