季節の変わり目にフケ対策| プロが教える頭皮ケア

季節の変わり目にフケ対策

季節の変わり目になると「フケが出るようになる」と感じる方が増えてきます。
パラパラと肩に降り積もるフケは、人に見られるととっても恥ずかしいものですよね。

この「恥ずかしい」という心理が働いてしまうために、フケは髪のトラブルの中でもちょっと変わった特徴を持っています。
頭皮のダメージより何倍も心理的なダメージの方が大きくなるのです。

分かりやすいようにあなたを例にあげて説明していきましょう。

もしもあなたの頭皮からフケが落ちてきた場合、それが季節の変わり目に起きる一時的なフケであってもあなたの心は「恥ずかしさ」で大きく動揺します。
そうして、頭の中でフケの原因をアレコレ探し始めるのです。
「先週、美容室でヘアカラーしたわ」
「そういえば4~5日前はシャンプー変えたし」
「スタイリング剤があっていないのかも・・・」
こうやってアレコレと原因を結びつけますが、だからといってフケでわざわざ病院に行きはしません。
結局、「私は○○が体質に合っていない」といった結論をつけて間違った自己診断を下してしまうのです。
こうして、間違った自己診断をおこなってしまうと頭皮のトラブルが深刻になってしまいます。

そもそもフケの原因は大きく分けて2つあります。
「乾燥」と「脂性」です。
フケは頭皮が乾燥していても、脂でジメジメしていても出るようになります。

この内、最初の「乾燥」についてはイメージが簡単でしょう。
一番多いのはシャンプーのしすぎによる乾燥です。
1日に3回以上シャンプーすると、この乾燥によるフケが出るようになってきます。
理由は頭皮から分泌されている汗や脂を必要以上に洗い流してしまうから。
ですから、シャンプーは多くても1日に2回までにしなくてはいけません。

もうひとつの原因「脂性」についてはフケと連想しにくいのですが、乾燥とは違ってフケが発生しても落ちにくいという特徴があります。
このタイプは頭皮をかいても何をしてもフケが落ちてきませんから、ほとんどの場合本人が気付きません。
ここについては後で詳しく説明しますが、脂性のフケはほとんどが自己診断による勘違いが原因で深刻になっていきます。

さらにもう1つ、非常に稀ですが「菌」が原因でフケが発生することもあります。
いわゆるカビによるフケですが、これが原因であることは非常に少ないケースです。
この場合はフケ専用のシャンプーを使用することが一番の解決策となりますが、シャンプー自体が強い殺菌力を持っているので医師の指導を受けてできるかぎり短期間の使用としなくてはいけません。
長期間使い続けると「薄毛」など他のトラブルが発生するようになります。
ここに関しては、すごく特殊な例なので今回は省略してお話します。

さあ。
ここまで、フケの原因を大きく分けてきました。
原因が理解できるとフケに対する間違いが分かりやすくなります。
フケに対する間違いは次の3つです。

1つ目の間違いは「フケがトラブルである」という考え方です。
そもそもフケとはサナギが蝶に変わるように、あなたが食べた物が細胞となってお肌に生まれ変わったもの。
お肌の役割を果たして、役割を終えるとフケとして落ちていきます。

つまり、人間が生まれて天国にいくようにお肌としての役目を1サイクル終了したのがフケだと考えることができます。
こう考えるとフケはまったく異常なことではなく自然なことだと分かりわかりますよね。
フケは単にお肌のターンオーバーなのです。

これは若い人にフケがよく見られる事からも分かります。
体の成長が活発だと不要になる細胞も多くなりますからフケがよく出るようになるのです。
体がどんどん脱皮しているからターンオーバーの結果としてフケが出ています。

同じように、季節の変わり目にフケが出てくる理由は、あなたの体が新しい季節に向けて体を変化させている時期だから。
寒い季節と戦ってきたお肌は、次の季節に備えて体を変化させようとします。
お肌はそのために脱皮しているだけですから、大量のフケでない限り心配はいりません。

まず最初のステップとして、ここが大切ですからしっかりと理解しておいてください。
少しのフケは異常ではなく、体の正常なサイクルなのです。

次に2つめの間違い。
それは頭皮を清潔にしていればフケが出ないという考えです。
最初にもお話しましたが、フケの原因は大きく分けて「乾燥」と「脂性」。
シャンプーを何度も繰り返せば、頭皮が乾燥してフケにつながりますが、反対にシャンプーしないで不潔にしていると肌から分泌された脂が頭皮にべったり残ることになります。
この状態だと、肌がどんなにターンオーバーを繰り返しても頭皮のフケは脂に引っ付いてしまい落ちてこなくなります。
本人が気付いてないだけで頭皮はフケだらけになっていますから、この状態が続くと頭皮にはフケが何層にも重なってしまいます。

このように頭皮は清潔にするからフケが出ないのではなく、不潔だからフケが出ないということがあるから判断が難しいのです。

3つ目の間違いは、質の悪いシャンプーに変えたからフケが出たという考え方です。

1日に2回までのシャンプーなのに、シャンプーを変えてすぐにフケが出る場合は2つの可能性が考えられます。
1つはアレルギー反応です。
この場合はフケだけでなく頭皮が赤くなるのですぐに分かります。

2つ目はよほど洗浄力が強い場合。

これはスーパー銭湯に行くとよく体験するのですが、スーパー銭湯に置いてあるシャンプーはコストが大きくならないように比較的品質が低くて洗浄力が強いシャンプーが置かれています。
これは、全員が何プッシュも使用するとシャンプーの詰め替えが大変だしコストも高くなってしまうから。

そのためスーパー銭湯に行った帰りや、次の日は頭皮が乾燥してフケがよく出ます。
ただし、これは1~2日だけの乾燥でフケは止まり、髪がバサバサになるのですぐに洗浄力の強いシャンプーが原因でフケが出たと分かります。

これらは短期的な問題なのですが、それよりもよっぽど問題なのはシャンプーやトリートメントに配合されているコーティング剤です。
コーティング剤は髪の表面だけでなく頭皮も包み込んでしまうので、頭皮と一緒にフケも包み込んでしまいます。
これは先ほどお話したシャンプーしない状態で頭皮にたまっていく「脂性」のフケと同じです。
こうなると頭皮は呼吸ができなくなるから、頭皮は炎症を起こしてさらにフケを出すようになります。

ところが、このフケはシャンプーで洗い流されることがありません。
頭皮を洗うはずのシャンプーにコーティング剤が配合されているので、シャンプーすればするほどフケが何重にも重なっていくのです。

フケとコーティング剤がミルフィーユのように何層にも重なっていくと、さすがに異変に気がつくはずですが、実際のところ本人はなかなか気がつきません。
なぜなら、多くの人が「最近、頭皮が脂性になってきた」と自己診断してしまうから。

コーティング剤の問題はこれだけでは終わりません。

このような方が、いつまでも同じ悩みを繰り返してしまう理由があります。
コーティング剤でフケが重なっている人がある日、髪を包み込まないシャンプーを使い始めるとどうなるでしょう?
髪を包まないノーコーティングシャンプーは油ではないから、頭皮に長い間重ねられてきたフケが一気に洗い流されます。
何重にも重なっていたフケがようやく洗い流されて頭皮は安心です。
ところが、本人はこう言います。
「このシャンプー使ったらフケが突然出てきた!なんてひどいシャンプーなの!!」
こう言って、シャンプーをごみ箱に捨てて、またコーティングするシャンプーを使い始めるのです。
頭皮をコーティングすれば、またフケはぴたっと止まります。
実際にはフケが頭皮に何層も重なっていく訳ですが、本人はこう言います。
「フケが止まった。やっぱり、このシャンプーが一番ね。」

シャンプー選びの難しさはここにあります。
使用感だけでシャンプーを選んでしまうと取り返しのつかない事になってしまうのです。

フケの原因を根本から解決するならこちらのバックナンバーがおすすめ頭皮のトラブルはドライヤー選びが最優先

最後に付け加えておきますが、今回は大量のフケに関しての話ではないことに注意してください。
もしもフケの出る量とその期間が異常なら恥ずかしがらずに医師の診断も検討しましょう。
アレルギーなどの場合は血液検査をすることで原因が分かることもあります。

さあ。
フケの原因と間違いをお話してきました。
フケ対策の第一歩は何も知らないまま自己診断するのではなく正しい知識を持つことです。
まずは、少しのフケは人間として当然のことであると理解しましょう。

そうして、あなたの髪から実際にフケがでたとしても、無理にシャンプーでゴシゴシ洗うのはやめてください。
頭皮に傷がついたら結局、さらなるフケの原因となってしまいます。

フケが出た時は反対に頭皮を優しく丁寧に洗ってあげて、すすぎを何度も繰り返しましょう。
すすぎが少ない事がフケの原因であることが実に多いんですよ。

今回の話であなたは黒いスーツがばっちり決まる極上の美人に変身できました。
フケなんか恐れず、胸を張って町を歩きましょう!

 

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