今回は白髪についてお話します。
今現在、あなたの髪に白髪が1本もなければ、「今回のテーマは私に必要ない」と思われるかもしれませんね。
でも、白髪は特定の人だけに現れる病気ではありません。
年齢を重ねていくと、誰でもいつかは白髪に悩まされる日が訪れます。
まだ白髪が顔を出していない方も、すでに白髪が生えてしまった方も今からしっかりと対策を知っておきましょう。
正しい対策を知らないと、白髪から始まったトラブルは一気に「薄毛」の問題になってしまいますよ。
それでは、まずは白髪の基本から。
白髪は、ある年齢になるとポツリポツリと生え始めて、そこから本数が少しずつ増えてきます。
白髪の増え方には個人差があるのでハッキリとは言えませんが、その原因には「年齢」が大きく関係しているのです。
では、なぜ黒かった髪が白髪に変身してしまうのでしょうか?
これは髪が「白くなる理由」よりも、「なぜ黒くなるのか?」を知った方が簡単に理解できます。
そもそも髪の毛とは毛穴の中にある製造工場で作られていますが、この工場では「第1工程」と「第2工程」の2段階に分けて髪の毛が作られる。
まず第1工程で作られるのは髪の毛。
毛穴で髪が作られるのは当たり前ですが、実はこの段階でまだ髪の毛に色がついていないんです。
そのため、完成した髪は第2の工程となる塗装工場で色付けがおこなわれます。
ここであなたの髪はメラニンという色素が吹き付けてられて黒い色になる。
つまり、第一の段階で作られた髪には色が無く「白髪」の状態なのです。
こう考えるとなぜ、あなたの髪に白髪が生まれてしまうのかが理解できますね。
第一の「髪を作る工場」が正常に動いているのに、第二の「塗装工場」が何らかの理由でストップしてしまっている訳です。
黒が白に変わるのではなく、白いまま伸びてきたことになります。
これが白髪のメカニズムなのですが、大切なのは髪が白くなっても工場自体はちゃんと稼働しているという事です。
流れ作業の内、第2段階の工場が正常に稼働していないだけで髪の毛はちゃんと作られています。
このトラブルがもし、第1工程の「髪を作る工場」で起こっていたら髪の毛自体が生まれてこないので、さらに深刻な「薄毛」の問題になっていました。
さあ。
ここまでご理解いただけましたか?
つまり頭皮のトラブルを分かりやすくレベルで表すとこうなります。
レベル1=白髪
レベル2=薄毛
このように、白髪はトラブルの第一段階であることが分かります。
白髪を見つけた時点で、その毛穴は何らかの問題を抱えているのですから、これ以上トラブルの原因を与えてはいけません。
もしもあなたが、白髪を見つけた時にここを理解しておかないと問題はどんどん大きくなっていきます。
例えば、あなたが髪の中から1本だけ白髪を見つけたとしましょう。
その白髪をあなたが、もしも抜いてしまったとしたら?
これこそ大きな問題です。
ただでさえ、正常ではない毛穴からやっとの思いで生まれてきた髪の毛。
そんな髪をプチっと抜けば、毛穴の中にある髪を作る工場自体もすぐダメになります。
こうなると塗装工場だけなく、髪の製造工場も動かなくなって髪が生えてこなくなってしまう。
つまり、一時的な白髪対策として「白髪を抜いてしまう」と短期的に問題が解決しますが、長期的にみるといずれ薄毛のトラブルがあなたを悩ませることになる訳です。
だから白髪を1本見つけたとしても絶対に抜いてはいけません。
もし白髪を見つけたとしたら、ハサミで髪を根元からカットするようにしてください。
1~20本ぐらいの白髪なら、これが一番の対策と言えます。
そうして白髪がまた生えてきたらカットする。
ちょっと面倒ですが、これで毛穴のトラブルが深刻になる事はありません。
ところがです。
白髪が何十本になってくると1本ずつ切っている場合ではありません。
こうなるとカットするのに時間がかかるので白髪染めの方が賢い対策になってきます。
ただし、この白髪染めに関しても選び方と方法を間違えるとトラブルとなりますから気をつけてください。
あなたが白髪染めをおこなうとすれば、大きく分けて4種類のタイプがあります。
1つ目はヘアカラータイプ
これは髪の中まで色を浸透させるのでムラなく染まります。
さらに色落ちも少ないため白髪をしっかりと黒色に変えることができる方法です。
2つ目はマニキュアタイプ
マニキュアは髪を芯まで染めるのではなく、表面だけを色付けしていくのでどうしても黒がムラになりやすい。
さらにデメリットとして色落ちしやすいという特徴も持っています。
そのためマニキュアタイプは白髪染めではなく、紫やオレンジといった鮮やかな色をつけるのに向いたカラー方法といえる。
ここまで「ヘアカラー」と「マニキュア」の2つについてお話しましたが、この2つは特に注意が必要な白髪対策です。
もし、自宅でこれらの白髪染めをおこなっているならすぐに中止しましょう。
なぜなら化学薬品の刺激が頭皮に対してあまりに強すぎるからです。
そもそも白髪が生まれた毛穴は、すでに何らかのトラブルを抱えているとお話しましたね。
そんな頭皮に強い化学薬品を使うと白髪のトラブルがさらに深刻になるんです。
だから、これら2つの白髪染めは絶対に自分でやらないようにしてください。
必ず美容室でプロにおこなってもらうことで頭皮への刺激を最小限に抑えることができます。
ただし、プロがおこなったとしても薬品自体に問題があるので、多少の刺激は避けられないことを忘れないようにしておきましょう。
続いてここからが自宅でできる白髪染めです。
3つ目の白髪染めは部分染めタイプ
これは一時的に白髪を染めるものですからシャンプーで洗い流せるのが特徴です。
マスカラタイプの商品が主流ですが、これは頭皮にとって刺激になりませんから安心して使用できます。
ただし、白髪があまりに多いと黒く塗っていくのが大変というデメリットもあります。
白髪が少なくて部分的に集中している方には、この方法がダメージも少なくてぴったりの白髪対策です。
4つ目はへナ。
自宅で白髪を染めるのであればへナが一番安心です。
ヘナは天然成分だから頭皮にベッタリついてもトラブルになりません。
その上、トリートメント効果にも優れているので使うたびに髪が美しくなっていくという大きなメリットがあるんです。
化学染料で白髪染めをするとどうしても髪が傷んでしまいますが、天然のヘナは傷むどころか髪がキレイになる。
これが合成と天然の一番の違いなのです。
ただし、へナにもデメリットがあります。
1つ目は時間がかかることです。
天然100%のヘナを使って染めるには通常でも1~2時間、初めてのヘナならもっと色が入りにくいので、半日かかる場合もあります。
2つ目のデメリットは、ヘナの後にパーマやヘアカラーができないことです。
ヘナで染めるとヘナの成分が髪に入り込んで髪の1本1本がしっかりするので、パーマがかかりにくくなったり、ヘアカラーの色が入りにくくなったりします。
このようなデメリットもありますが、頭皮がデリケートで合成染料が使えない人や、髪が傷んでしまうことを心配している方にはぜひ試してもらいたい白髪染めです。
そして、ここからが大切。
ヘナは天然100%のものを選んでください。
天然や、ヘナ配合というだけでやたら短時間で染まるものは化学物質が含まれている可能性が高いのでやめておいた方が無難です。
というのも、ヘナは1970年ごろインドから日本へ輸入されて知られるようになりましたが、染め時間がかかりすぎることで、広く浸透しませんでした。
なぜなら、通常ヘアカラーだと30分程度の染め時間ですが、ヘナだと倍以上の時間がかかってしまいます。
そのため、ほとんどの美容室からお客様が回転しないと敬遠されてしまったのです。
こうして、ヘナはごく一部の美容室やナチュラル志向の人にしか使われない白髪染めになってしまいました。
ならば、もっと早く染めることができるヘナを作ろうと誕生したのが、化学薬品の入った「合成のヘナ」なのです。
合成のヘナは染め時間が短くカラーのバリエーションも豊かなので人気が高いのですが、合成は合成。
頭皮につくとトラブルを起こしてしまいますので、自宅染めにはお勧めできません。
また、天然100%のヘナでも雑貨として販売されているものと、化粧品として販売されているものがありますが、雑貨は内容表示義務がないので成分が不明確なものもあります。
ヘナ以外のものでカサ増しをしたり、早く染めるために化学物質が入っている可能性も否定できません。
そのため、自宅でヘナ染めするなら化粧品として登録されているヘナがいいでしょう。
化粧品のヘナなら、全成分表示が義務付けられており、それに基づいて品質検査されているので安心して使用できます。
化粧品のヘナはインターネット上でも化粧品と表示してあるので見分けることは簡単です。
さあ、ここまで4つの白髪染めについてお話しました。
白髪染めといっても多くの種類があって、それぞれ最善の方法が違ってきます。
メリットとデメリットをしっかり理解して、あなたにぴったりの白髪対策を見つけてください。
白髪は抜け毛の一歩手前にある危険サインだと理解すれば白髪に対する対応が変わります。
白髪だからとあきらめるのではなく、これ以上トラブルを抱えないようしっかりと頭皮のケアをおこなうことが大切です。
白髪を抜いたことがある人はわかるでしょうが、白髪を抜いてみたら根元が黒かったということがあります。
つまり、白髪は治らない病気ではないのです。
まずは頭皮をケアをして頭皮の環境を改善してください。