低温トリートメントドライヤーの特徴は、髪をヤケドさせずに早く乾かすことです。
いったい何故、従来のドライヤーよりも温度が低いのに早く乾かすことができるのでしょうか?
今回は、その秘密を説明していきます。
あまり知られていませんが、実は、これまでのドライヤーは温度にムラがありすぎて髪を乾かすのに、とても効率が悪いものでした。
「温度のムラ」とは、簡単に説明すると中心と外側の温度差のことです。
フライパンで料理するとき、中心は熱いのですぐに焼けますが、外側の部分はとっても温度が低いですよね。
このフライパンと同じようにドライヤーも中心と外側では、大きな温度差が生まれているのです。
それを明確にしたものが下の温度測定結果ですが、なんと中心と外側には50度もの差が生まれています。
この温度差は先端ノズルをはずした状態で測定したものですが、下のようにたった3センチの範囲で生まれているので驚きです。
つまり、ドライヤーをあてている部分はヤケドしていて、ほんの3センチ横では低い温度が当たっていることになります。
このように、温度差の範囲が小さすぎると温度の違いが分かりにくくなります。
これが髪のヤケドに誰も気が付かず、髪が乾くのに時間がかかる原因でした。
そこで私たちは、温度のムラが少なくて、均一な温度を届けるドライヤーを探すことにしました。
温度のムラををなくすことで、ワンランク上のドライヤーができるのです。
まず、ドライヤーの温度を考える上で絶対に欠かせない要素は、ドライヤーの吹き出し口と髪の距離です。
ドライヤーは吹き出し口が一番熱くて、離れていくほど温度が低くなりますよね。
極端な話ですが、ドライヤー吹き出し口から3メートル先は熱いどころか涼しい送風に変わってしまうぐらいです。
この「使用距離」という要素は、使用する方の生活習慣によって大きく変わりますので、まずはこの距離を見つけないと正確な温度を探すことができないのです。
そのため、私たちは大規模な調査をおこないました。
アンケート自体は1万通を超えましたから、おそらくこれだけ正確なデータは世界でも当プロジェクトだけが保有しているに違いありません。
その中でも距離に関するアンケート結果が以下です。
※距離に関するアンケートの調査対象は650通
※極秘事項につき一部表示を隠しております
この中で、もっとも多かった回答は使用距離が10㎝の距離という回答です。
アンケート調査では、厳密にいうと多くの情報をいただきましたが極秘事項につき詳細はカットさせていただいております。
これらの結果から、日本人の女性がどの距離でどのようにドライヤーを使用しているのかを完全に把握することができました。
あとはその距離で温度を一定にするだけですが、これが実に難しい。
髪を乾かすには同時に強い風も必要ですが、強風のなかで温度を一定にするというのはそう簡単にできることではないのです。
これは、どこで図っても同じ温度になるフライパンを作れというようなもので、いかにして周囲に温度をいきわたらせるかが実に難しい。
しかも、プラスチックの整形はとっても高額ですから1回のテストで100万円以上の費用がかかってしまいます。
そのため、とてもではないけど何度もテスト繰り返すことなんて不可能です。
ちょうどそんなとき、日本で輸入が可能になったのが3Dプリンターでした。
これなら、ほとんどゼロに近い費用で、 0.1ミリ単位の精度変化をつけてテストができます。
これまで大手家電メーカーが数億円を投資しても実現できなかった、何百種類というドライヤーの形状テストが当プロジェクトのような小さな組織でも利用可能になったのです。
ただしこの3Dプリンタにも問題があって、1つのテストモデルを作るのに約6時間を要してしまいます。
そのためこのプリンタ数台を24時間フル回転させて、温度テストしては修正という作業を何度も繰り返した結果、気の遠くなるような時間を要してしまいました。
その成果から理想の形状を見つけ出して最終的に選ばれた「低温トリートメントドライヤー」の温度は以下のグラフとなりますが、なんと「髪がヤケドしない60度前後で温度差はたった3度」という素晴らしい形状となりました。
従来のドライヤーが、中心、中間、外側とそれぞれのラインが別れていたのに対し、こちらは3本がほぼ重なっています。
わかりやすく60度ラインを引いてノズルがない場合と比較したのが下のグラフです。
私たちの低温トリートメントドライヤーが優れている点をまとめると、
温度の最高が63.2度、最低が59.8度。
従来のドライヤーが50度もの差があったことを考えると、この違いは歴然。
2.安定した温度
時間が経っても、温度変化がほとんどありません。
安定した温度に保たれたままです。
3.中心部の温度の低さ
左のグラフでは中心が高温であることが、一目瞭然でした。
ところがなんと、この低温トリートメントドライヤーでは、中心が外側よりも低い温度となっているのです。
これは企業秘密なのでお伝えできませんが髪にヤケドを起こさせないために、さらに画期的な方法なのです。
このように、低温トリートメントドライヤーは、ただ温風の温度が低いというのではなく、髪をヤケドさせることなく早く乾かせるための、最適な工夫がほどこされているのです。
また、このドライヤーに対する研究や実験は今も継続されており、今後もお客様のご意見を参考に、商品の改良、開発をずっと続けていくつもりです。
これからも、皆さんの「あったらいいな」を、たくさんお聞かせください。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。